2008-07-13

リスク管理としてのCSRではなく

企業の社会的責任。これは、その責任を果たさない企業は現代の社会で生き残っていけない、という文脈で近時多く語られるようになってきていると思います。確かに、そうでしょう。実際、社会的責任を果たさない企業は社会的・経済的罰を受けるでしょう。また、環境・安全を軽視する企業への風当たりは年々強くなっています。

では、企業の経営者・従業員がこの社会的責任を果たそうとするなら、実際にはどのような目的を持って果たそうとするのでしょうか。ばれると、自分自身あるいは自分の企業に不利益が及ぶからでしょうか。現状では、この動機が強いのではないかと思います。しかし、これはいたちごっこなのではないでしょうか。ばれた場合の不利益が動機なら、仮にばれずに社会的責任を回避する方法が発見されたら、それを実行するでしょう。

では、そうならないためには、どう考えればよいのか。何かの目的のための社会的責任履行ではなく、社会的責任を履行すること自体を目的にする、あるいはそれ自体が良いことだと考えられればよいのではないでしょうか。しかし、善悪の価値観だけで多くの人の本音が動くものではないでしょう。最終的に人を動かすものの一つは、好き嫌いなのではないかと思います。自分の所属する企業が好きであるという感情を持ち、好きだからこそ良くなって欲しいと思えれば、自ら社会的責任を果たそうという動機になるのではないでしょうか。

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