2012-08-01

水族館と演劇

なにげに、人生で初めての青春18きっぷ。の使用二日目。
始発列車1321Mで、水戸方面へ。
勝田駅で乗り換え。上野駅へ直通する列車なんかより田舎度(?)は高いはずなのに、上野行にあるクロスシートがこっちの車両には無い。これってどうなの。
泉駅へ到着。
新常磐交通バスでアクアマリンふくしまへ。路線バス時刻表では開館に間に合う便は無いということだったけれども、実際には8:30発の便があるようだったので、ラッキー。
でもですね、路線バスならでは(?)のイベントが、用意されているわけで、ここで。手持ちのお金が、1万円札と5千円札と10円玉4枚と5円玉1枚。あ、両替お願いするなら発車する前だな。乗客も自分一人だし。「すみません、両替お願いします。」5千円札を出す。「・・・。」「千円札ないの?」「すみません、これしかないんです。」「小銭は?」「45円です。」「・・・。」「5千円札の両替は今ちょっとできないなぁ。どこまで行くの?帰りは?」「支所入口で降りて水族館に行きます。帰りもこのバスに乗るつもりです。」「わかった。じゃ、今はあるだけ出してって。40円ね。残りは、帰りのバスで、言って払ってくれる?」「!?」「それじゃ、そろそろ発車するから。」
何の気なしに、線路からほぼ直角に延びるまっすぐな道だなぁ、陸橋で線路を渡るなぁ、自動車ディーラーの店の名前がもう「小名浜」だなぁ、と、車窓を眺めていると、目的地の最寄りバス停までは、わりとすぐ。
これから5時間後に何が起きるかも知らずに・・・。
バスを降りる時に、運転手さんのメモ書き付きで返された整理券が、これでした。「右下の数字がこのバスの運行番号。これ見せればわかるから。」財布の中って、わりと過酷な環境のようで、三日後に改めて確認すると、もう字が消えかけてますけど。
さて、最寄りのバス停「支所入口」からも、結構歩きました。
ほぼ開館時間ちょうどに、入り口へ到着。いざ、中へ進みます。
館内で出会った生き物たち。それと、迫力のある模型。
園内に再現された自然。うちのまわりもこんな感じだけど、実際に住んだら、日が高いうちはいいけど、夜中は怖いですよ。毎日がマイナスイオン。
園内から外を見た、景色。
秀逸なパネルを、一つ。『お父様お母様へのメッセージ』。「カッパたちをよみがえらせる」って、最初は何のことかよくわからなかった。小学生くらいの頃、子どもだけで多摩川で遊んだ、あの「わくわくする」楽しさは、何にも代えがたいです。水辺が危ないというのはわかるけど、なんでもだめだめと、抑えないであげて欲しい。少なくとも、そういうことができる環境を守り、子どもたちが自分からそういうことをやりたいと言ってやってしまうくらいの元気さを持てるように、育てて欲しい。会社の同僚・同期や、同世代の知り合いで、小さい子どもを持っているという話を聞くと、そんなことで口を挟みたくなってしまいます。
こちらは、政策の話。ここでなぜJICA?という感覚的な疑問はそう簡単には消えないものの、法律や条約って、単に行政や利害関係者の活動根拠になるだけのものではなくて、「民主主義」の原則のもと、国民一人一人のものであるなら、もっともっと、「広報活動」の対象になって良いものなんじゃないかとも思います。
「バックヤードツアー」に参加。ツアー、3人家族だけで貸切ツアーになるはずだったのに、後から1人割り込んで来てごめんなさい。
写真で段違いになっているように見えるコンクリートの壁は、東日本大震災の時に左側が地面ごとずり落ちてしまったためにできた段差だそうな。
東日本大震災からの復興に関する説明パネル。
そうだ、アクアマリンふくしまは、シーラカンス研究で有名なんだった。
さて、まだ時間は結構余裕あって、近くにいわき・ら・ら・ミュウというのもあるみたいだけど、なんか遠そうだな、というわけで、食べるところを探し、普通な感じのお寿司屋さんへ。ちなみに、いわき・ら・ら・ミュウは、後から地図を見たらすぐ近くみたいですけど、アクアマリンふくしまを出るところ辺りには、「徒歩何分」とか「何m」とかの表示がなくて、車用の交通標識に方向が示されているだけだったので、いかにも遠く思われました。今回は、縁が、なかったということ。
30分くらいのんびりして、ようやくちょっと板前さんと会話するなかで、「茨城から来ました」と言ったら、「茨城には大洗に立派な水族館があるよねぇ。こっちは、ショーとかもないし。大洗の方が良いよね」と。地元に対して謙虚なのは東北の人っぽい感じです。でも、それでも、「何となく」、行く価値があると思ったら、来たわけで。一言で言うなら、ちょっと尖ったメッセージ性を持った水族館運営をされている、という感じでしょうか。その期待は、だいたい合っていたように思います。尖った分だけ毀誉褒貶もあるかも知れませんが、サイエンス・コミュニケーションに本当に求められることの一つでもあると思いますし、これからも大事にしていってほしい部分です。
さて、食べ終わって、することもなくなったので、散歩でもするか、というわけで店を出たのが13:10頃でした。乗る予定のバスは13:52なので、余裕ですね。でも、一応、バス停の位置を確認しておこうか。行きのバス停とはちょっと位置が違うというようなことも書いてあったし。
あれ。
土休日泉駅行、13:52の数字の上に、「土」て書いてある。
・・・。
今日は何曜日だっけ?
記憶が間違ってなければ、日曜日。
がーん。
今何時だっけ?
13:25。一つ前のバスは13:21でした。あー確かに、泉駅行っぽいバスがついさっき通ってった。。。
さて、ここで、選択肢は、主に4つ。いわき駅方面のバスがひょっとしてあったりするんじゃないか?まだ予定より20分早いし、ちょうどバスがあれば、いわき駅発の列車にも間に合うはず。それか、タクシーか?いくらかかるんだろう・・・。てか、金額の問題もあるけど、やはり悔しい。泉駅まではバスで確か15分程度と書いてあった記憶がある。がんばって走ったらどれくらいかかるんだろう。それか、そもそも、18時前に池袋に着く、というのを諦めるか?
結局、そう都合よくいわき駅行のバスもなく、3番目の選択肢、がんばって走ってみることにしました。道よくわからないけど。でも、確かバスは「支所入口」に着く直前はわりとまっすぐ走ってた感じだったから、とりあえずバスが来た方向に行きゃ何とかなるんだろう。もし間に合わなかったら途中からタクシーに乗るか、途中で考えよう。
暑い。昼食多めに食べたばっかりだから腹痛い。昨日もサッカーやってたからちょっと無理すると足もつりそう。てか、パソコン持ってきたのでかばん重いし。
・・・。
途中、「小名浜タクシー」の営業所を発見。よっぽどここから乗って行こうかとも思ったけれども、まだ時間は13:35くらい。まだ間に合わないと決まったわけではない。そもそもこの営業所、タクシー1台しか留まってないし、すぐに出動できる運転手さんがいるのかどうかもわからない。営業所入って頼み込んで乗せてもらうというのも面倒だし、とりあえず電話番号だけ携帯にメモして、素通りしよう。
てか、間に合う可能性はあるんだろうか。間に合わなかったら、声をかけてくれた先輩には悪いけども、縁がなかったということだろう。しょうがない。その時は、東京まで行かず、そのまま家に帰っちゃおう。
・・・。
さらに、途中からは、買ったおみやげを入れていた紙袋が、手から伝わってくる汗(?)と振動(?)に音を上げて、脱落。くそっ。小分けの袋ももらっておいて良かった。しかし、ここはひとまず、両手空いてるし、抱えて走ろう。
・・・。
結局、何とか泉駅前へ無事到着。14:00過ぎ。まぁ、バスで10分以上かかるところを、30分ちょっとで走破できたというのは、自分にしては、上出来でしょう。ちょっと前なんかは、自宅から最寄りのバス停までダッシュしただけで足つってたくらいですから。
しかし、これで一件落着というわけにはいきません。駅前に新常磐交通のバス、1台くらいはいるんだろう、と思ったら、いない。
行きの不足額、230円が、払えない。
どうする?
お、駅前に交番があるではないか。ひたち野うしくとは違って(?)、ちゃんとお巡りさんがいるっぽい。
すみません、230円を、新常磐交通の運転手さん、どなたでもいいので、渡しておいてもらえませんか。私は、旅行者で、14:19の列車に乗って帰りたいんです。朝水族館に行くためにバス乗ったんですけど、両替ができなくて、払えなかったので、帰りのバスで払えばいい、ということになってたんです。でも、帰り、乗ろうと思ってたバスがなくて、なので別の方法でここまで来ました。何とかなりませんか。
(と言いつつ、その時点では230円ちょうどが無く、どう両替しようかと思案中でもありました。だって、帰りにもバスに乗る予定だったから、帰りの分と合わせて500円ちょうどがあればよく、30円なんて端数用意してない。)
申し訳ないですけどねぇ、お金を預かったりとかは、できないんですよ。責任取れないですから。急がないんでしょう?また来た時にでも払えばいいじゃない。
ちぇ。田舎の交番でも、こういうところはしっかりしてるなぁ。あんまり牧歌的じゃない。てか、福島まで来ることなんて、そうそうないし!
というわけで、結局、230円を払えずじまいで、泉駅を後にしました。
ちなみに、泉駅からは、7分後にスーパーひたち42号も出るのに、なぜ14:19発の普通列車に乗ったか。
それは、今回青春18きっぷを使っていることと関係します。
青春18きっぷは、特急列車とかに乗る時の乗車券としては使えないので、青春18きっぷを使った旅行で、一部特急列車とかに乗ろうと思ったら、その乗る区間については乗車券も一緒に買わなきゃいけないんです。
今回は、調べた結果、
  1. 18時前に北池袋駅に着くには、時間優先で行くなら、スーパーひたち42号に乗らなきゃいけない。
  2. スーパーひたち42号に乗るには、14:06に泉駅に着くバスに乗らなきゃいけないが、14:06と14:26の間に、14:19発の普通列車があって、どうやら勿来駅まではスーパーひたち42号より先に行きそうだから、そっちに乗れば多少乗車券を買う区間を短くできる。
  3. さらに、スーパーひたち42号に最後まで乗ると、到着時間にかなり余裕ができるので、途中で降りて途中からは普通列車でもよさそうだ。
  4. その限界は、水戸駅で、そこから普通列車に乗れば何とか18時前に北池袋駅に着ける。水戸駅から東京まで普通列車ってのは、かなり長い(2時間)けど、まぁ座れるだろうし、たまにはいいだろう。
はい、ここが第一の間違いです。水戸発15:31の普通列車は、勝田駅始発で、勝田駅を出る時間もスーパーひたち42号より後なので、勝田駅で乗り換えることにすれば良かったんです。運賃は、普通に買うと変わらないものの、分割して買うと、20円差が出るようです。
とは言え、こちらは、まだ20円。たかが20円です。
  1. 実は、この時点で、問題設定が、どのようにして泉発14:19の普通列車から水戸発15:31の普通列車に乗り継ぐか、ということになっていたのです。そうなると、実は、フレッシュひたち44号を利用する、という選択肢も検討すべきでした。
  2. フレッシュひたち44号を利用するとした場合、最小の利用区間は水戸駅から土浦駅まで、ということになります。費用は、自由席特急料金が900円、乗車券が880円。
自由席特急料金と乗車券を合わせて、今回購入した買い方と、480円の差。気付いたのは、帰り、泉駅に着いた頃くらいなので、完敗です。今回、特急券・乗車券を購入したのは当日朝。もっと買い方があるんじゃないかという気はしつつ、出先で買うことにするというのには不安もあったため、致し方ないところでした。480円は、ほぼ、常磐線東海道線直通工事を進めてくれているJR東日本への寄付です。
さて、北池袋駅
駅徒歩30秒のはず、方向は合ってるはずなのに、場所が見つからない。日頃から自転車とか、自分の足で移動することを心がけているのに、なかなか治らない、この方向音痴というか、場所探しのセンスのなさ。
さて、一度は池袋第二小の先まで行き、北池袋駅まで戻ってきて、一応、池袋第二小の手前角を左に曲がって、そっち方面も池袋第二小の先まで行ってみて、さらに念のためということで池袋第二小の手前角を右にも曲がって様子を見てみて、やっぱりそれらしいものは見つからない。
もうだめかな、せっかくここまで来たけど、まぁ来ただけでいろいろと楽しかったし、なにかおいしいものでも食べて帰ろうかな。。
と、北池袋駅へとぼとぼ歩き始めると、何やら、見た覚えのあるものが、あるではないですか。
ようやく公演の案内が目に入って来ました。
時間は、18:10。なんか遅れてしまって微妙かも知れないけど、まだ10分。このタイミングで見つかったのも何かの縁だから、とりあえず、入ってみよう。人生、下を向いて歩いた方がよいこともあるんですね。
・・・。
「演技」って、つまり自分を偽るってことでしょ?と思い、今まで、あまり好きになれていませんでした。「史実を再現する」というようなもの以外は。
でも、例えば日本語で会話している時と英語で会話している時で若干性格(?)が変わることがあるように、何が演技で何が演技でないかの区別は、そんなに易しいものではないかも知れません。それに、最低限度周囲とのコミュニケーションがうまくいっている人なら、相手に全く合わせないで素の自分だけを出している、ということはありえないわけで、その意味では、演技なんて、誰もが常にしていること。
そうやって、「演技」を肯定的にとらえられると、自分でもうまくできるようになれるとよいな、と思うようになり、このような、身近な人が出演している「芝居」も、違った目で見られるような気がします。
それに、やっぱり出演している人たちの表情が生き生きしているのがいい。普段、あんまりそういう表情の人を、身近には見られていないかも知れません。見ている方も楽しくなる、というやつですね。
・・・。
最後、公演鑑賞後に、大学時代のサークル(?)の先輩、先輩、後輩(?)、後輩と鉄板焼屋。基本は、何度もしている思い出話の繰り返し。しかし、新しく聞く話もありまして、所謂「付き合う」、特に両者が同じコミュニティに属している中で「付き合う」場合は、自分たちだけでなくて周囲も幸せにするような、そんな関係が良い(が、そんなに良い例ばかりではない、もとい、そんなに良い例はあまり多くない)という思いを新たにしました。
さて、帰り道。
またまた、迷うんだこれが。
なぜか、アパホテル東京板橋の1階廊下を、通り道にしてしまいましたとさ。

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