「平和問題」について、今まで自分が興味を持ってきた歴史上の事件は、例えばホロコースト、南京大虐殺、強制連行、原爆投下、朝鮮戦争、ベトナム戦争と化学兵器使用、カンボジア内戦、といった問題である。また、同時代的な事件では、ルワンダ内戦、コソボ紛争、そしてアフガニスタン戦争・イラク戦争等である。しかし、歴史上には、それどころか同じ時代においてさえ様々に異なった「平和への脅威」が存在することを認識するに連れ、どれがより深刻な問題なのだろうか、ということを考えるようになった。しかし、それはそう簡単に答えの出る問いではない。その結果、その迷いから逃げるように、「平和への脅威」問題を全般的に避けるようになってしまった気がしてならない。そのような自分にとっての「平和研究」は、何がより根本的な「平和への脅威」で、そこからどのように他の「平和への脅威」が派生するのか。この問いに対する答えを希求するものである。
2007-10-27
「私にとっての平和研究」
2007-10-14
「非現実的な目標ほど達成しやすい」
非現実的な目標ほど達成しやすい!
という記事があります。まぁ学術的な観点からは、どの程度研究に裏付けられているのか疑問が残りますが、自分の実感とは、かなり合致します。このことを肝に銘じて、そして実践できるような人生の選択をしていきたいですね。
2007-10-04
「魚の鮮度と死後変化」
誰が書いたんでしょうね、こんな文章・・・
魚介類の肉は、陸上動物肉に比較して死後変化によって腐敗・変質しやすい。肉を保護する膜・皮が薄く鱗も脱落しやすいため外傷を受けやすいこと、体表の粘膜が微生物を増殖させること、各種酵素の活性が高いこと等が原因である。また、内臓を除かずに輸送されることも一因である。死後変化しやすい魚肉は、食品原料として鮮度の高さが要求され、氷蔵・冷凍・パーシャルフリージング・氷温等の低温貯蔵方法が研究・活用されている。
- 『水産物の利用:原料から加工・調理まで』
- 山中英明・田中宗彦
- 成山堂書店
参考文献は
サケは、降海行動を取る時期になると、「スモルト化」が起こり、海水適応能が上昇する。「スモルト化」とは、体高が低くなり、鰭の縁が黒くなり、体色が銀色になってパーマークが消えることである。サケが川を産卵域とし海を索餌域とする遡河回遊を行う理由は、高緯度の地域では、河川には餌が少ない一方外敵も少なく、海には餌が多い一方外敵が多いことによる。遡河回遊魚であるサケは、海での生活を終えた後、母川回帰を行う。視覚に頼って母川付近まで来た後、母川を見極める最終的な判断は嗅覚に拠っているというのが、最新の研究結果である。遡上したサケは産卵行動に入る。通常雄としての二次性徴が強い固体が交尾において成功するが、研究結果によると、小型の雄は雌に類似するような二次性徴を経て、交尾の際にはスニーカー行動という行動を取る。雌に擬態して産卵中の雌に近付き放精することで受精を成功させることである。サケの生活がとても複雑なのは、今までの環境に適応した結果であろう。その環境が変わってしまえば適応できなくなるのは当然であり、由々しきことではあるが、一方環境は常に変化するものでもあり、我々はどうすべきなのか、簡単には答えが出ない。
講義の中で最も印象に残ったのは、海面温度の分布についてのくだりです。今までは海面温度の分布について考えてみたこともなく、低緯度ほど高温で高緯度ほど低温だろうという程度の認識しかありませんでした。しかし実際の大洋では東海岸と西海岸で等温線の様子が異なるということでした。これは大変興味深いことであり、実際にこの等温線分布によって大陸の東海岸と西海岸の気候の違いが説明できるということは納得できました。しかしどうしてそのような分布を取るのか。エルニーニョ現象の発生機構についてのくだりがヒントになるのではないかと思いました。エルニーニョとは、東太平洋の赤道付近の海域の表面水温が通常より上がり、西太平洋の赤道付近の海域の表面水温に近づく、ということでした。つまり逆に言えば、少なくとも太平洋では、通常は赤道付近の海域の表面水温が「東低西高」になっている、ということです。赤道に近いところでこのような表面水温の差があれば、等温線が低緯度方向へ広がってくるのは、理解できます。しかし、中緯度から高緯度にかけての大洋東部の等温線が高緯度方向へ広がっていくのは、なぜなのでしょうか。次の機会に学びたいと思います。
食料品としての魚介類・水産物の本質的な特徴の一つが、生産地と消費地が離れている、ということでした。そしてもともと沿岸漁業が主力だったものが、漁業技術の発達・水産食品需要の拡大によって中心が近海漁業、遠洋漁業となり、生産地と消費地の遠隔化がさらに進みました。これらの変化を、強力に支えたのが魚介類の低温保管技術の進歩です。田中宗彦先生のお話にもあったようにただでさえ死後変化によって腐敗・変質しやすい魚介類は生産地と遠隔地の遠隔性・遠隔化という課題も抱えていたので、常に最先端の低温保存技術の試される食料資源でした。そして、低温保存技術の進歩が遠隔地での需要を開拓していきました。最初の低温保存技術として氷漬けが広く使われるようになったのが、明治時代でした。その後、冷媒を利用して密閉空間の温度を下げる方法が実用化され、冷凍保存が可能になりました。しかし、主に冷媒として使われるようになったフロン類が大気中のオゾン層を破壊し、人類を含む生物に有害な紫外線が地上に届きやすくなってしまう事実が認識されるに及んで、フロン類の代替となる冷媒や、ヒートポンプの仕組みを利用した低温保管技術の開発が進められました。
講義の中で最も強く指摘されていた問題は、外航海運における日本籍船・日本人船員の減少でした。
外国籍船の中では便宜置籍船と呼ばれるものが多いと考えられますが、その問題点としては、まず高い海難事故率・劣悪な海上労働条件が指摘されています。この二点に関しては、船籍国の法規制の未整備に原因があると言えるかも知れません。船籍国が船体の整備や海上労働条件についての法規制を定め、適正に運用していれば起きないはずの問題だからです。国際法上の曖昧さも挙げられていますが、これは、国連を舞台とした条約交渉の進展を望むほかないと考えられます。このように、便宜置籍船の問題は、海洋基本法によってある程度交渉における理念を打ち出すことはできますが、具体的な前進のためには、国際交渉が切に望まれます。
一方で、日本人船員数の減少の問題点としてまず指摘されるのは、海難事故率の増加です。この原因には、二つの要素があります。一つは、日本人船員は世界的にも事故の少ない優秀な船員であるという統計データがあり、そのような日本人船員が減ることにより事故率が上がること、もう一点は船長等と外国人船員の意思疎通がうまくいっていない、ということです。但し、前者の要因が、仮に技能と意思疎通能力にあるとすると、後者も含めて、問題は技能と意思疎通能力の二点に整理できます。前者については資格試験等である程度は水準を維持することができるかも知れませんが、後者については、船員同士の相互関係の問題であり、明快な解決手段はありません。海運会社のリスク管理の徹底と、外国人船員もより日本人に馴染めるような環境作り、そして日本人船員が相互に円滑な意思疎通を行うことのできる心理システムの分析と応用が求められます。
海洋基本法第三条には「海洋の安全の確保」が謳われています。この法律の成立時期が一連の有事立法成立時と重なったこともあり、「海洋の安全の確保」と言った時には、国家としての安全保障を考えてしまいがちですが、自国籍船・自国船員であっても、私権の対象・人権の主体であり、外国籍船・外国人船員よりもその権利が侵害されてよいということにはなりません。船員・積荷のための「海洋の安全の確保」のためには、前述のような視点から、問題の本質を捉え、長期的な計画に立脚した施策、特に国際的な施策が実施される必要があります。
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